PostgreSQL : アクセス統計情報【概要】

はじめに

PostgreSQLを勉強するにあたり、構築や運用で必要そうな事を備忘録として残しました。
本記事は、stats collectorプロセスにより収集されるアクセス統計情報の概要について記載しています。

PostgreSQL 13 を使用しています。

アクセス統計情報は、サーバ全体の活動状況についての統計情報となります。「統計情報コレクタ (stats collector )」によって自動的に収集されます。アクセス統計情報の確認は、定義済みのビューや関数を使用します。

図. stats collector プロセス

表にアクセス統計情報に関連するパラメータを記載します。これらの値は、postgresql.confで設定を行います。

表.アクセス統計情報の関連パラメータ

パラメータ	説明
track_counts	テーブルおよびインデックスアクセスに関する統計情報を収集するか制御する ※デフォルトで有効
track_activities	各セッションで、「実行中のコマンドに関する情報」と「そのコマンドの実行時刻収取」を有効にする。すべてのサーバプロセスで現在実行されているコマンドを監視可能です ※デフォルトで有効
stats_temp_directory	統計情報データを一時的に格納する場所を指定します。 ※デフォルは「pg_stat_temp」
trac_functions	ユーザ関数の呼び出し数と費やされた時間の追跡を有効にします。 ※デフォルトは「none」

下図は、postgresql.conf内のアクセス統計情報に関連するパラメータとなります。

図. postgresql.conf の関連パラメータ

統計情報コレクタ (stats collector)は、バックエンドプロセスとの情報のやり取りを、一時ファイル「$PGDATA/pg_stat_tmp」に格納します。

図. pg_stat_tmpディレクトリ

主なアクセス統計情報ビューをまとめています。

「pg_stat_sys_tables」と「pg_stat_user_tables」の内容はすべて、「pg_stat_all_tables」に内包されます。

表. アクセス統計情報ビュー

ビュー	説明	利用目的
pg_stat_activity	バックエンドプロセス単位に、クエリの状態やプロセスの現在の活動に関連した状態を表示	問題のあるクエリの確認、長時間経過しているSQLの調査、ロック待ち状態のSQLの調査
pg_stat_database	データベース毎の統計情報を表示。各テーブルの詳細は、pg_stat_user_tables等を利用	キャッシュヒット率を確認す
pg_stat_bgwrite	バックグラウンドライタに関するデータベースクラスタ全体の統計情報を表示	チェックポイントの頻度の確認、キャッシュによる共有メモリ不足の確認
pg_stat_all_tables	テーブル毎の統計情報を表示	テーブルの利用頻度やインデックスの利用状態の確認
pg_statio_all_tables	テーブル毎のブロック単位のI/Oに関する統計情報を表示	テーブルにおけるI/Oについての確認 ※ディスクアクセス量とは異なる
pg_stat_all_indexes	インデックス毎のアクセスに関する統計情報を表示	使用していないインデックスの特定
pg_statio_all_indexes	インデックス毎のI/Oに関する統計情報を表示	インデックスにおけるI/Oについての確認 ※ディスクアクセス量とは異なる

以下は、pg_stat_sys_tablesビューがpg_stat_all_tablesの内容を出力していることが伺えます。

図. pg_stat_sys_tablesの内容